201-300

「分かってるんでしょうね? 少しは救急車をよぼうとか思っているわよね?」

「何かこわいんですけど、でもあまりおれをなぐろうとばかり思っていたら、後ろの人におこられるよ。」

「大丈夫だって、だから今は笑おう? 笑わないと、おれがおこるぞ?」

「なぐっていいの? そんな顔してたら、あんた今にわたしに毎日なぐられることになるわよ。」

「何言ってるんだよ、おれがおまえのことをどう思っているかなんて、分かっているだろ?」

「どうしようかな? あんた、今笑おうとしたでしょ?」

「分かったって、おれがやればいいんでしょ。」

「だって、おまえにおこられたらどうしようかなって……、分かってるよ。」

「笑ったら、あんたどうなるのか分かってる? わたしにおこられるわよ?」

「あ、なんか好きみたい。」



「殴り飛ばしてやるのもいいけど、不覚にも、抱きしめたくなったのよ。」

「実は、あんたのこと待ってた。」

「……ごめんね。今はこれしか思い浮かばない。」

「気にしないでくれ。あれは、ただの悪戯だ。これからが――、本番だろう?」

「いいか? おれはおまえを好きじゃない。だからおれは――、おいっ!」

「何が足りない? 言ってみろ。増やしてあげるから。」

「ご要望どおり、今日はずっと一緒にいてやるよ。……その代わり、おまえ明日、おれの言うこと聞けよ。」

「あー、なんかだるいわ。残念だけど、それは無理みたい。」

「ちょっと眠くってねえ。なんか……、今日は休みなさいって言われてるのかな。」

「あれから何日経ったでしょう? ――はい君っ!」



「おっ、よく分かってんじゃん。じゃあ次の行動、何すればいいか分かるよな?」

「嫌なもんは嫌。っていうかあんた、私に命令できるのあんただけなんだからね?」

「ちょーっと、駄目ね。ちょっとなんだけど、でもやっぱ駄目ね。」

「なんか少しおかしくなったわ。……あんたに抱きしめてもらいたいなんて、思っちゃってるんだから。」

「おれを想うなら、おれに抱きしめさせてくれよ。」

「少しやりすぎたかな……。――あっ、あんた嘘寝してたわね!」

「黙って……、黙って人の話を聞け。」

「これは、俺の好きなように、思う存分やっていいってことだよな。」

「泣くなよ。……抑えられなかったんだ、悪い。」

「おまえといると、いつだって俺は危険だよ。」



「いいか? 俺は今、おまえが欲しい。……許可、してくれるか?」

「何が欲しいか、って……、おまえ?」

「はいはい、邪魔者は行った行った。これから飛びっきり甘い時間になるんだから。」

「あ、忘れてたわ。え? ――ああ違う違うって!」

「今日は返さないわよ? いつも取られてるんですもの。せっかく独り占めできるんだからね、楽しませてもらうわよ?」

「あー、何かだるい。今日は来ないのかなー……。……何でこんな寂しいんだ?」

「今日だけは……、静かにしてて?」

「妙な色気、出してんじゃねえよ。……襲いたくなるだろうがっ!」

「頼むから……っ、今は近付かないでくれ……!」

「……駄目だわ、もう無理。……我慢できなくなった。」



「あ、俺今日泊まるから。」

「俺の声、聞こえてる?」

「あー、あれなら捨てたわ。」

「俺にとって嫌なものは傍に置かない。……意味、分かるか?」

「何つーか、ほら、おまえ今日、誕生日だろ?」

「もう、時間が無いんだ。……最後くらい、僕の好きにさせて。」

「愛してるって言ったら、笑ってあげる。」

「違う。……泣くほど好きなの!」

「今あんたが行ったら、私、あんたのこと嫌いになるからね!」

「冗談を言ってられるほど、暇ではないの。」



「冗談なんかで済まさないで……! 大好きなんだから……っ!」

「あっちに行ったら、お菓子あるから。走ってそこで一時間待機っ!」

「あんた……、馬鹿にしてるの? それとも天然?」

「明日はずっと一緒にいられるんでしょ? 絶対来てよね。」

「あんたはあっち、私はこっち。あんた明日まで、そこで過ごしてね。」

「願いごと? ……おまえがいつまでも、……俺の傍で、っておい! 寝るな!」

「あんた、寝顔は襲いたくなるくらい可愛いのね。……応答なし。んじゃ早速、襲いますか。」

「寝言? おれが言うわけない、――って、おい! おまえなんでここにいんだよ!?」

「はいっ、んじゃただ今から、おまえは俺の命令をきかなければいけないっ!」

「……あとで謝るから、今は……。すまん、我慢できないわ。」



「あ、あれなら私が昨夜食べたわ。美味しかったわ〜。絶品だった!」

「明日も? ……しょうがないわね。……言っとくけど、あんただからよ? 分かる?」

「おいっ、おい馬鹿! 今寝るんじゃねえっ!」

「昨日殴られ続けて、今日は起動不可能です……。」

「愛してくれるんなら、聞く。嫌なら無理。今朝言ったとおりにするから。」

「明日? 何にもないけど……、何で?」

「やばいやばい……! 何か不覚にも、襲いたくなったわ。」

「へ? ああ、それは俺だけど?」 「明日、俺ここ出るから。……とうとうお別れだな。」

「すぐに私を抱きしめなさい。」



「こんなんで照れてたら、これから赤面続きだぜ?」

「分かった! ……つまりあんたは、私と一緒にいたいわけだ!」

「薬いるか? おまえ、今風邪だろ。」

「なあー! なんか涙出てくるんだよー! 俺、病気なのかなあ!?」

「そしたら許してやる。」

「理不尽で結構。でも、命令には従え。」

「放すなよ? 放したら、おまえにキスするからな。」

「止めようぜー? だってあれだぜ? ほら、俺今日具合悪いんだってー!」

「は? ……おい、誰だよあの日のこと言ったのは。」

「泣きたいんなら、泣け。俺が隣にいてやるから、泣きたいだけ泣け。」



「なあ、どうしよう。……俺、見つかったかもしれない。」

「よし! 今日からおまえは、俺の命令を聞け!」

「はいはい、分かったから。初めから分かってたよ。」

「泣かせた? あいつを? ……おまえ、喧嘩売ってんのか?」

「嫌いだなんて、一言も言ってないだろ!」

「あんたのそういうところが、嫌い。大嫌い。」

「……嘘つくんなら、もう会わない。」

「君を少し懲らしめてやろうと思ってね。全て計画したものだ。」

「おまえが全然、振り向いてくれないからだろ! 少しは……、こっちを見やがれ。」

「君の愛を感じたい。……お願い。」



「一回しか言わないぞ。……好きだ。」

「今日は何の日でしょう? 尚、当てなかったら、容赦しません。」

「あんたがいるから来たんでしょうが! それくらい分かりなさいよ、馬鹿!」

「……あのな、おまえ……、俺のこと好きだろ。」

「あいつがおまえのこと好きだって……、だから殴った。」

「誕生日でしょ! 今日は! ……だからよ。」

「慣れないんだよ、こういうの。」

「おまえ、もしかして……、本当は違うんじゃないのか?」

「好きなら好きだって言えよ! 不安なんだよ!」

「あー……。暇だわ。……寝よう。」