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「何かこわいんですけど、でもあまりおれをなぐろうとばかり思っていたら、後ろの人におこられるよ。」 「大丈夫だって、だから今は笑おう? 笑わないと、おれがおこるぞ?」 「なぐっていいの? そんな顔してたら、あんた今にわたしに毎日なぐられることになるわよ。」 「何言ってるんだよ、おれがおまえのことをどう思っているかなんて、分かっているだろ?」 「どうしようかな? あんた、今笑おうとしたでしょ?」 「分かったって、おれがやればいいんでしょ。」 「だって、おまえにおこられたらどうしようかなって……、分かってるよ。」 「笑ったら、あんたどうなるのか分かってる? わたしにおこられるわよ?」 「あ、なんか好きみたい。」 「実は、あんたのこと待ってた。」 「……ごめんね。今はこれしか思い浮かばない。」 「気にしないでくれ。あれは、ただの悪戯だ。これからが――、本番だろう?」 「いいか? おれはおまえを好きじゃない。だからおれは――、おいっ!」 「何が足りない? 言ってみろ。増やしてあげるから。」 「ご要望どおり、今日はずっと一緒にいてやるよ。……その代わり、おまえ明日、おれの言うこと聞けよ。」 「あー、なんかだるいわ。残念だけど、それは無理みたい。」 「ちょっと眠くってねえ。なんか……、今日は休みなさいって言われてるのかな。」 「あれから何日経ったでしょう? ――はい君っ!」 「嫌なもんは嫌。っていうかあんた、私に命令できるのあんただけなんだからね?」 「ちょーっと、駄目ね。ちょっとなんだけど、でもやっぱ駄目ね。」 「なんか少しおかしくなったわ。……あんたに抱きしめてもらいたいなんて、思っちゃってるんだから。」 「おれを想うなら、おれに抱きしめさせてくれよ。」 「少しやりすぎたかな……。――あっ、あんた嘘寝してたわね!」 「黙って……、黙って人の話を聞け。」 「これは、俺の好きなように、思う存分やっていいってことだよな。」 「泣くなよ。……抑えられなかったんだ、悪い。」 「おまえといると、いつだって俺は危険だよ。」 「何が欲しいか、って……、おまえ?」 「はいはい、邪魔者は行った行った。これから飛びっきり甘い時間になるんだから。」 「あ、忘れてたわ。え? ――ああ違う違うって!」 「今日は返さないわよ? いつも取られてるんですもの。せっかく独り占めできるんだからね、楽しませてもらうわよ?」 「あー、何かだるい。今日は来ないのかなー……。……何でこんな寂しいんだ?」 「今日だけは……、静かにしてて?」 「妙な色気、出してんじゃねえよ。……襲いたくなるだろうがっ!」 「頼むから……っ、今は近付かないでくれ……!」 「……駄目だわ、もう無理。……我慢できなくなった。」 「俺の声、聞こえてる?」 「あー、あれなら捨てたわ。」 「俺にとって嫌なものは傍に置かない。……意味、分かるか?」 「何つーか、ほら、おまえ今日、誕生日だろ?」 「もう、時間が無いんだ。……最後くらい、僕の好きにさせて。」 「愛してるって言ったら、笑ってあげる。」 「違う。……泣くほど好きなの!」 「今あんたが行ったら、私、あんたのこと嫌いになるからね!」 「冗談を言ってられるほど、暇ではないの。」 「あっちに行ったら、お菓子あるから。走ってそこで一時間待機っ!」 「あんた……、馬鹿にしてるの? それとも天然?」 「明日はずっと一緒にいられるんでしょ? 絶対来てよね。」 「あんたはあっち、私はこっち。あんた明日まで、そこで過ごしてね。」 「願いごと? ……おまえがいつまでも、……俺の傍で、っておい! 寝るな!」 「あんた、寝顔は襲いたくなるくらい可愛いのね。……応答なし。んじゃ早速、襲いますか。」 「寝言? おれが言うわけない、――って、おい! おまえなんでここにいんだよ!?」 「はいっ、んじゃただ今から、おまえは俺の命令をきかなければいけないっ!」 「……あとで謝るから、今は……。すまん、我慢できないわ。」 「明日も? ……しょうがないわね。……言っとくけど、あんただからよ? 分かる?」 「おいっ、おい馬鹿! 今寝るんじゃねえっ!」 「昨日殴られ続けて、今日は起動不可能です……。」 「愛してくれるんなら、聞く。嫌なら無理。今朝言ったとおりにするから。」 「明日? 何にもないけど……、何で?」 「やばいやばい……! 何か不覚にも、襲いたくなったわ。」 「へ? ああ、それは俺だけど?」 「明日、俺ここ出るから。……とうとうお別れだな。」 「すぐに私を抱きしめなさい。」 「分かった! ……つまりあんたは、私と一緒にいたいわけだ!」 「薬いるか? おまえ、今風邪だろ。」 「なあー! なんか涙出てくるんだよー! 俺、病気なのかなあ!?」 「そしたら許してやる。」 「理不尽で結構。でも、命令には従え。」 「放すなよ? 放したら、おまえにキスするからな。」 「止めようぜー? だってあれだぜ? ほら、俺今日具合悪いんだってー!」 「は? ……おい、誰だよあの日のこと言ったのは。」 「泣きたいんなら、泣け。俺が隣にいてやるから、泣きたいだけ泣け。」 「よし! 今日からおまえは、俺の命令を聞け!」 「はいはい、分かったから。初めから分かってたよ。」 「泣かせた? あいつを? ……おまえ、喧嘩売ってんのか?」 「嫌いだなんて、一言も言ってないだろ!」 「あんたのそういうところが、嫌い。大嫌い。」 「……嘘つくんなら、もう会わない。」 「君を少し懲らしめてやろうと思ってね。全て計画したものだ。」 「おまえが全然、振り向いてくれないからだろ! 少しは……、こっちを見やがれ。」 「君の愛を感じたい。……お願い。」 「今日は何の日でしょう? 尚、当てなかったら、容赦しません。」 「あんたがいるから来たんでしょうが! それくらい分かりなさいよ、馬鹿!」 「……あのな、おまえ……、俺のこと好きだろ。」 「あいつがおまえのこと好きだって……、だから殴った。」 「誕生日でしょ! 今日は! ……だからよ。」 「慣れないんだよ、こういうの。」 「おまえ、もしかして……、本当は違うんじゃないのか?」 「好きなら好きだって言えよ! 不安なんだよ!」 「あー……。暇だわ。……寝よう。」 |